torum

主に開発中のアプリにまつわる技術系の事。

新しい技術をFUDする日本メディアの伝統芸が日本をダメにする

この記事を読んで、改めて思ったのですが、

NHKスペシャル「AI戦争 果てなき恐怖」に異議あり 止められないAIの軍事利用、開発に手を抜けば亡国の危機(1/7) | JBpress (ジェイビープレス)

 (思って一気に書いたので、上記記事の前半しか読んでなく後半読み飛ばしてます)

日本のメディアはどこも一緒で、一般に新しい技術を敵視するような報道の仕方多い、と感じます。

しばらく前は、「AIで仕事が奪われる」なんて報道が目立ちました。こんなのは、産業革命以来、機械化、オートメーション、インターネットの登場、諸々と社会が便利になるのと並行して常に起きてきた現象であって、失われていく職もあれば新たに生まれる職もあります。単純労働から機械化によって、より知的生産性が上がったと言えるわけです。

歴史上、ギリシャの時代に素晴らしい知の発展を見たのはギリシャ社会が奴隷で回っていて、ギリシャ「市民」は暇だったから、なんて嘘かホントかの話しもありますが、機械化によって知的生産に専念できるようになれば良い事ではないですか。

日本のメディアが新しい技術を叩くのは今に始まった事ではありません。インターネットなんて良い例です。テレビを始めとする日本の旧来のメディアはインターネットを見下して敵視していました。結果、日本のテレビ局はインターネットを活用する事も出来ずに、今や年配のご老人専用メディアとなっています。

当初、インターネットをアングラで危険なものみたいな風潮で報じて来たのです。結果が現在のITに疎い、デジタル遅れの日本です。

最近だと、暗号通貨に関する報道もそれです。仮想通貨の詐欺だの億り人だの、胡散臭い印象付けばかりの報道で、真の意義など一切報じません。結果として日本人一般におけるデジタル通貨などのリテラシーは遅れるばかり。

因みに、FUDというのは、fear、uncertaintydoubt の頭文字から来た言葉(スラング気味)で、主にマーケティングや政治などで使う手法とされています。つまり、恐怖や不安、疑念と言ったネガティブな感情に訴えて人々の行動に影響を与えようとすること、を言います。

日本のテレビの報じ方は、まさにFUDです。新しい技術について、客観的に解説して正しい使い方、悪い使い方を報じるのではなく、一方的にネガティブな側面ばかりを強調して人々の不安を煽り、技術に対する理解を深めるどころか、拒絶反応を与えようとします。個人的には、これが現代日本の衰退の遠因にもなっていると思えるぐらいです。

最後にあえて言えば、「AI」とかいう言葉を安易に使う人は信用してはいけません。AIなんていう一般における定義の曖昧な言葉でまるで「知能」があるかのような誤認を与えかねない言葉は避けるのがちゃんと理解している人です。安易にAI、AIと、バズワードのように言う人は絶対に信用してはいけません。くしくも、今日、「AIの取引システムで絶対に儲かる」みたいな詐欺で逮捕されてる人達が居ましたが、騙される人が出てくるのは、AIが何たるもので、その限界はどこか、を理解してないから騙されるのです。知的崩壊であります。メディアの報道がFUDしかしないからです。