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主に開発中のアプリにまつわる技術系の事。

ポッドキャストが日本で普及しない理由

ポッドキャスト英語圏で物凄い普及をしていて、日本とは比較にならないレベルでコンテンツが増えています。

一方、日本では殆ど話題にすらならない気がします。これは一体なぜなのか。

以前は、単に「アメリカでは車通勤(移動)が多いからねぇ」と思っていたのですが、日本人だって、みんな電車通勤でやたらと長い時間移動しています。

そこで、まず、他の人達はなんと言っているのか、下調べをしてみました。

ポッドキャストに対する日本人の認知度がまだ低いのではないか。

ということです。

日本でポッドキャストが普及しない理由&ポッドキャストのジャンルについて | 海外向けWebマーケティングのエクスポート・ジャパン

 Orz。

 (確かに・・・)

日本では、テレビ局とかがポッドキャスト形式で番組を配信する気配すら見せないですから、ポッドキャストを聴く人も増えない、逆の因果関係もしかり、というニワトリと卵みたいな関係なのかもしれません。そもそも日本のテレビ局のインターネット配信も全くダメですし、権利関係を立てにインターネットを活用せず凋落の一途をたどっている状況ですね。まったく期待できません。

まぁ、あと、日本人には色々と消費するコンテンツの種類が多すぎるのかもしれません。

日本の電車内で観察してみると、若い男子学生は軒並みゲーム(時間を無駄にしている気がしないでもない)・・・、スーツ姿のサラリーマン男性は漫画ばっかり(海外からみるといい年した大人がコミックかよwと笑われる)・・・若い女学生はLine?かでひたすらおしゃべり(同調圧力の塊のような女子学生らしい)、社会人世代の女性はひたすらショッピングサイトでファッションのチェック・・・。

しかし、そんな人達にもポッドキャストを是非おススメしたい。

ポッドキャストとは

ポッドキャストは、iPodの登場と共にWeb2.0全盛期の頃、2005年の頃だったか、一時一世を風靡しました。ブログがRSSAtomのフィードを使って記事を「配信」するのと同じ仕組みで、ポッドキャストは音声ファイルを配信するものとなります。

当時はまだそれほどスマホが普及していなかったから、一部の尖がった人達だけが知っていて、現在日本でポッドキャスト知名度・認知度が低いという事に繋がっているのかも知れませんね。

初心者むけの説明で「インターネット版のラジオ」という紹介のされ方がされたりしますが、個人的には違和感があります。インターネットラジオというもの自体はずっと昔から別途に存在していますし、ラジオと違ってオンデマンドでいつでも再生できます。それに、YouTubeの事を「インターネット版のテレビ」なんて言いませんでしたよね。とはいえブログの音声版という説明も微妙。むしろ視聴者からすれば動画ストリーミングサービスであるNetflixの音声版、くらいの感覚があります(なのでSpotifyポッドキャストに力を入れている)。いずれにしても、「インターネット版のラジオ」とか紹介されてたら自分は聴いていなかっただろうなぁ、とは思います。

日本でのポッドキャストはその後、決して廃れてしまったという訳ではないのですが、ずっと下火になってしまったままの感があります。日本でも大量発生したYoutuberなる動画系とは異なる様相である事は確かです。

因みに、自分はiPhoneが日本に来る以前からiPod愛用者だったので、当然のようにポッドキャストを聴いていて、中でも、テック界では有名だった、Doug KayeのIT Conversationsは、通勤途中に毎回欠かさずに聴いていました。残念ながら 2012に番組は無くなってしまって寂しい限りです。自分は丁度その頃、勤務先が変わって通勤時間が分単位になったり、そもそもITと無関係の職種になったりだったので、なんとなくしばらくポッドキャストから離れていた時期もありました。

しかし、ここ数年、ポッドキャストを「再発見」し、どっぷり浸っている状況です。個人的には、気が付いたら英語圏ではポッドキャストが凄い事になっていた、という感じです。

ポッドキャストの利点

ポッドキャストを聴く一番の理由は、マルチタスク(つまりながら作業)がしやすい、という事です。動画であれば、視点が一点に専有されてしまい、意識も映像に集中しがちです。映画やドラマは特にそういう風に没入するような作りをあえてしていますから、マルチタスクには向いていません。

ポッドキャストであれば、通勤時などはもとより、家事や革靴磨きといった作業時に「ながら聴く」ことが出来ます。

自分の場合、忙しい時は、Twitterを流し読みしながらポッドキャストを2倍速で聴いて情報収集をする、なんてことも良くやっていました。(最近はTwitterの流れを追いかけるのに疲れて離れていますが)

英語圏での状況

基本的に、全ての(ケーブル)テレビ局と主なニュースメディアが、ガッツリとポッドキャストで番組を配信しています。それも、短くて20分、長くて50分とかです。どれもそこそこ長いですが、1.5倍速で聴くと丁度良いです。

例えば、自分が視聴しているポドキャストのごく一部ですが、

PBS Newshourアメリカの公共放送局のニュース番組。とても落ち着いた雰囲気の上質な報道番組で、アメリカのメディアの中でも最も客観的で安心して視聴していられる。日本でいうとNHK的な立ち位置の放送局だけどちょっと違う。自サイトやYoutubeでもフル番組をライブ配信しているけれど、ポドキャストでもガッツリ50分の番組を毎日配信。

BBC Newshour:言わずと知れたイギリスの国営放送BBCの国際報道番組。ただし、BBCは内容が偏り過ぎていて、BBC Newshourの国際報道は特に、自国の事は棚に上げてアメリカや日本といった他国を腐してメンタル維持しているような所があり、BBC国際放送は国営のプロパガンダ放送と言っても良し。極稀に日本の話題が出ても、毎回日本語すら理解しない「日本特派員」が登場して、デタラメを吹きまくっていて、よくまぁ、こんなデタラメを世界に向けて報じられるなぁ、と嘲笑する為に視聴するのがヨシ。ガッツリ50分。

Hardtalk:これもBBCではあるけれど、ゲストを呼んで1対1で「ハード」なトークをする。ゲストが厳しい姿勢で突っ込みを入れるのが売り。

NBC Nightly News:米NBC。ジャンラジャンジャンジャン~。という導入部分からして、安っぽく、わざとらしい司会とリポーターが大袈裟に話す番組。今どきのアメリカを理解するにはちょうど良い。

Why Is This Happening? with Chris Hayes:これも米NBC系だけども悪くない。毎回一つのトピックをゲスト(日本のように芸人を呼ぶわけではない)を呼んで掘り下げる。

60 Minutes:米CBSのそこそこ権威ある報道番組みたいな立ち位置。たしか、Youtubeとかでは観れず、日本からではサイトでも観れないはず。ポドキャストで聴くのが唯一の方法か。名前のわりに50分弱。CBSは他にもFace The Nationというのもやっている。

48 Hours:これも米CBSですが、ニュース番組というか、リアルクライムドキュメンタリー番組みたいな。個人的に好きなので聴いている。

WSJ What's News:米経済紙ウォールストリートジャーナルのポドキャスト。経済ニュース系だけど、テック系も扱う事が多い。まぁ普通。

などなどがあります。

日本のNHK

因みに、日本のNHK英語版(NHK World)は、数分限りのNHK Worldのラジオニュースをそのまま録音して配信しているだけで、刺々しい口調のアナウンサーがニュースのタイトルを英語カミカミで棒読みで読み上げているだけ、というやる気の無さが爆発しています。しかも、日本の立場を英語で世界に報道とかいう訳でも全く無く、異様な報道内容のチョイスが目立ちます。そもそもNHK Worldが異常で・・・以下割愛。自分はとうの昔に購読を解除しました。

英語圏での普及度

別に数字で比較するほどの事ではないので、どうでも良いのですが、英語圏ではポドキャストがどんな状況で使われてきているかと言うと・・・

Youtubeとの同時配信Youtubeの著名な番組は大抵、ポッドキャスト版があります。逆にポッドキャスト番組をYoutubeに転載するような逆方向の進出もあります。

特定トピック限定で、特集番組として新規にポッドキャスト番組を立てる:最近多いのがこの傾向で、全20回の、週一から月一みたいな間隔で更新される連続ドキュメンタリー番組みたいな扱い。既存の番組からスピンオフみたいな扱いで新規に回数限定のポッドキャスト番組を開設するみたいな。

例としては、BBCがちょこちょこやってて、直近では、北朝鮮のサイバー犯罪を取り上げた「The Lazarus Heist」。テレビ放送をYoutubeポッドキャストで同時配信みたいな感じ。PBSでは「Un(re)solved」で最近話題の黒人関連のトピック。

まったくの独立系(というか個人レベルも多い)が特定のトピック限定で立ち上げるパターンも多くて、一例としては、YOUR OWN BACKYARD では、個人が自分の地元で起きた未解決殺人事件に興味を持って、独自に調査取材を重ね、全十回にわたるエピソードを公開したのですが、これがとても話題になって、その結果、保安官事務所が動いて、犯人逮捕に至った、という・・・

こういうひょっこり出現して、むちゃくちゃ面白い、みたいなポドキャストの番組も多いです。

最近では、アフガン撤退を契機に振り返りみたいな風潮も多いタイミングで、「The Line」という番組が面白かった。ベールに隠された特殊部隊、SEALs​隊員の戦争犯罪というスキャンダルにスポットを当てた番組。しっかりとした取材と音源などを使い、隊員たちへのインタビューなどの収録もしていて、もう完全に本格的なドキュメンタリー番組。

当然、その他、個人の趣味趣向関心に合わせたあらゆるトピックの番組が存在していて、IT系といっても、もはや枠が大きすぎて、色々とジャンルに分かれて色々とあります。自分は、暗号通貨系の話題に限定したCoindeskのポッドキャスト番組とかも聴いています。

結論

ポッドキャスト、イイよ!