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主に開発中のアプリにまつわる技術系の事。

分散化と中央集権

コンピュータネットワークやソフトウェアの世界では、分散化(P2P含む)というのは理想というか夢であります。中央集権したビックブラザーと、暴走する分散化された自律ネットワークなんて、まるでSFに登場するような話しでありますが。

現実世界では、WWWは別として、金融のマネタリーシステムとしてビットコインがそれを実現させましたが、その他の分野では軒並み失敗というか、一般にはそれほど普及しているとはいいがたく、登場しては何か色々と問題が発生しては下火になっていっています。

具体的には、P2Pのファイル共有サービスでは、結局の所、著作権を無視したファイル共有が多く、せっかくの技術が悪用されていて、以降、殆ど発展がありません。また、独立したブログ同士の連携でトラックバックなど、分散ネットワーク風な要素もありましたが、トラックバックなどは特に、スパムに汚染されて、今ではどこもやっておらず、結局、SNS的な閉じた世界で統制の利く、個別の中央集権のネットワーク内に限られるようになっています。

分散化の欠点として、悪い事をするアクターを排除するのが難しいという点です。投票でなんとかするような民主的というか多数決的な解決方法は、参加するものの多くが悪い事をしたい場合とかには有効ではないですし、現実は数が多ければ正しいというものでも無かったりします。ビットコインの場合はコンセンサスアルゴリズムブロックチェーンなどの組み合わせを使って解決しましたが、ビットコインという報酬を貰えるシステムだからこそ、と言えます。

技術的にはハイブリッド型の分散システム、というのが現実的なのでしょうが、一般に広まるには、管理元が居る限り、誰が管理するのか、という点が残って、なかなか難しい。

ビットコイン的な方法は、電子通貨だからこそ出来た方法であって、単にその手法を(例えばブロックチェーンを使うとか)単に流用しただけでは、真の分散システムは実現しないでしょう。

つくづく、ビットコインの開発者は凄いです。今世紀最大の謎です(自分の中では)。