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主に開発中のアプリにまつわる技術系の事。

なぜ日本は「デジタル後進国」なのか

IT・デジタルの広範な分野で課題が噴出している日本国内の状況を「デジタル後進国と言わざるをえない」と指摘し、危機感をあらわにした

日本は「デジタル後進国と言わざるをえない」、インテルが国内教育支援へ推進力 | マイナビニュース

そりゃ、日本国内という小さな市場向けにアメリカ発のサービスのモノマネばかり続けているからですよ。あと、いまだにITゼネコンとかいう日本独自の悪習がのさばっているのも大きな理由でしょう。それに、一般からしたら、プログラマなんて「アニメオタクで秋葉原に入り浸るキモい奴ら」扱いしかされてこなかったから人材も集まらないし。そもそもタイプライターの歴史が無い一定年齢層以上の日本人のキーボード苦手意識から始まって、僻みからかパソコン関係を馬鹿にしてきた年寄り達・・・

まぁただ一般向けサービスは日本の市場は世界に十分開かれていて、海外のサービスが入ってきやすい為、日本のプレーヤーは一般向けサービスに限って言えば厳しい市場競争にさらされている、という現実もありますけれどね。黒船に負け続けて力を失っていて、もはや初めからチャレンジを諦めている状態。あとは日本固有の法規制に守られてぬるま湯につかってる業界。

日本語という「参入障壁」も、インターネットを利用した一般向けサービスにおいては、極端に低くなるのです。しかし、日本人には英語という大きな参入障壁が存在することに変わりはありません。

 

blog.btrax.com

 

一番重要なのは最初から海外でも展開しようというマインドセットを持つこと。まずは国内から、という思い込みを取り払うこと。[...]

そうすることで、よりグローバルで使ってもらいやすいプロダクトが生み出される。

 

そうなんだけれども、はてブとかを見ていても、例え英語が読めても、海外のトレンドばっかり追っかけていて、流行りの技術の「ユーザー」に甘んじているだけの日本人の技術者達を見ていると、あんまり期待は持ていないなぁ。サラリーマン技術者なんてそもそも給料もらう事しか考えていなくて興味すらない人達多いし。

結果として、世界には通用しない、かといって良い意味のガラパゴスで発達したユニークなサービスも出てこない、中途半端なモノマネばかり、という惨状。海外でアレが流行っている、という話しが流れれば、一斉に似たようなサービスが雨後のタケノコのように出現する。アホくさいです。

勘違いしてはいけないのは、英語が読めれば良いって話しじゃないし、単に英語版を作れば良いって話しでもないという事です。ユーザーとの対話が出来なければならないし、ちゃんと文化も理解してないと通用しない。

つまり、英語を実際に使って世界を俯瞰的に見渡して知識教養経験知を得た上で、アイデアを発明して、形にしたうえで、世界に向けて公開する、という事。

そもそも、グローバルな視点を持てるほどのナチョラルな英語力と文化に対する知識を持っているのはごくごく一部の限られた日本人だけで・・・お勉強の試験用英語が出来るだけで勘違いしている人も多いし。

大量の海外移民を出している韓国人・中国人とかと比較すると、海外に出ている日本人はほぼ皆無、と言っても良いほど少ない(日本という国が良い国だからですけれども)から、そもそもの英語力で負けるのは仕方がない所ではあります。

若い技術者に、やれ新しいプログラミング言語だ、フレームワークだ、その上で理系なのにも関わらず、英語もだ、なんて求めるのも厳しいものがあります。 (社会人としての学びも必要だし)

ではどうしたら良いか。

1.ガラパゴスを利点とする

もう諦めて、ガラパゴスに徹底しちゃいなよ、と。

インターネット上の仕様や携帯通信規格は、スタンダードという標準規格が存在しているので、そういったものに関わる場合は標準に積極的に関わっていくのが重要です。しかし、そうではないトレンド、みたいなのはモノマネばかりのサービスは止めて、もっと尖がった事やるべきです。

日本は90年代後半だったか、尖がっていました。タマゴッチなんて世界で一世を風靡したし、絵文字なんて今や英語化してEmojiとして普通に使われています。ガラパゴスで悪い事ばかりでは無いのです。

2.ITゼネコンをぶっ潰せ

日本の悪しきIT業界の慣行として、日本の土建業界の下請け構造をそのままIT業界に持ち込んだ事です。ITゼネコン(SIer)と言います。日立ほにゃらら、とかNTTデータなんとかとかNTTコミュニケーションズといった、いわゆるITゼネコンと言った国から仕事を受けて、下請け孫請けに作らせる、という大手ゼネコンの構造を、同じゼネコンが子会社を作ってITでも同じ事をやっている、というこのどうしようもないシステムはぶっ壊す必要があります。

企業とか政府、業界団体、に取り入る事だけが仕事で、プログラミングも出来ない元受けがSEとか言って下請けを人月で集めてどうこう、とか、海外製の製品を名前だけかえて自社製品として売りつける、みたいな・・・。

 

NTT系列や国内大手ITベンダー(日立、NEC富士通)の三社、外資系ITベンダー(IBM、HP、Oracleなど)系列のSIerが大手の顧客を囲い込み、インフラ構築からコンピュータ機器の設置、納入後の運用メンテナンスに至るまでを一括受注して利益を得ており、実際のプログラミングやテスト作業を中小のSIerに丸投げしている状態となっている。

ITゼネコン - Wikipedia

 

ITゼネコンが日本の癌、悪の根源と言えるでしょう。こんなん日本だけだかんね。日本でろくでもない低レベルの製品がのさばる一番の原因。

 

torum.hatenablog.com

 

日本企業のIT化が進まない理由として挙げられるのが、諸外国とは異なる「日本特有のSI業界の産業構造」だ。国内のIT人材をSIerが一手に抱え、ユーザー企業はそのSIerにITシステムの企画・構築・運用を発注する――。日本ではすっかり常態化したこの産業構造だが、実は海外ではこのようなやり方は必ずしも多くはない。そしてこの産業構造は、過去には有効に働いていた時期もあったが、現在では非効率な面が目立つようになってきている。

日本企業のIT化はなぜ進まないのか――日本特有のSI構造とエンタープライズITの在り方から探ってみると – データのじかん

 

こんなん、自分も10年も前から言っているさ。

コロナ禍と共に、デジタルトランスフォーメーション(DX)だ、なんて話しが出てくると、すわっとばかりにITゼネコンが飛びついてきて、バズワードを散りばめた中身空っぽの売り文句で広告や営業を掛けてきます。本来のDXは、そういうITゼネコンをぶっ潰すことから始まるのですけれども!

発注側のITオンチ、丸投げ体質、というそもそもの原因がありますが、これは徐々に変化が出ているようです。経営者の世代交代と共に、少しは改善されると思いますのでゆる~く期待するほか無いかもしれませんね。